■2025年07月06日の「今日のことば」■
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「マシュマロ実験」と呼ばれる 面白い研究を紹介しましょう。 (1960~1970年代前半の幼児を対象とした スタンフォード大学の心理学者 ウォルター・ミシェルの研究) ※以下から、一部(略)が入ります。 実験者は、幼児たちにこう言って席を立ちます。 「私はちょっと用事があるので出かけてきます。 机のお皿にのっているマシュマロは あなたたちにあげるけれど、 私が戻ってくるまで15分間、 食べるのを我慢できたら マシュマロをもうひとつあげるよ。 私がいない間に食べたら、 もうひとつはあげないよ」 幼児たちは、目の前にある大好物のマシュマロを すぐに口にしたいという衝動に駆られます。 ここで意思の力が試されるのです。 さて、最後まで我慢して2つ目のマシュマロを 手に入れた子供たちはどのくらいいたでしょう? 答えは1/3ほどだったそうです。 つまり2/3の幼児は、 マシュマロの誘惑に負けてしまったのです。 この研究の面白いところはここからです。 1988年に追跡調査が実施されました。 20年ほど前に、実験者が部屋に戻ってくるまで マシュマロを我慢した意思の力の強い子供たちと マシュマロを食べてしまった意思の力の弱い子供たちが、 大人になってから比較されたのです。 その結果マシュマロを食べなかった意思の強い 子供たちのほうが、20年後、多種多様な パフォーマンスを示していることがわかりました。 (大学適正検査の成績、対人関係の良好さ、 ストレスへの対処、肥満の少なさなど) 2011年にさらに追跡調査が行われ、 この傾向が生涯のずっと後まで 継続していることが明らかになりました。 この実験を行ったミシェルは、知能指数(IQ)の 高さよりも意思の力の強さのほうが、将来様々な パフォーマンスに大きく影響すると結論づけています。
さらにこの実験では、実験者が部屋に戻ってくるまで、
マシュマロを食べずに我慢した子と、 我慢出来なかった子の違いを隠しカメラで記憶していて、 その結果、こんな違いがわかったそうです。 マシュマロを食べてしまった子は、 マシュマロをじっと眺めていたり、触ったりしていて、 目の前の食べたいという誘惑をさらに強めていたそうです。 逆にマシュマロを食べなかった子は、 マシュマロを見ないように目をつぶったり、 後ろを向いたりして、マシュマロからの注意を そらそうとし、誘惑が目に入らないように していたというのです。 つまり、誘惑への対処の仕方が 違っていたということでした。 そして、誘惑を目の前にしては、 人は意思の力をうんと使ってしまい、 意思の力が枯渇してしまいがちですが、 誘惑をそらすようにすると、 意思の力をそれほど使わずにすみ、 その意思の力を違うところで 発揮できるということです。 面白い研究をしたものですね~ 意思の力を無駄に使わないようにして、 目標のものに、意思の力を使うことが 大事なのだと思いました。 |
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