■2025年06月20日の「今日のことば」■
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![]() 人が百人いたら 百通りの「成功」があって、 それが必ずしも 陽当たりが良かったり、 華やかであったりする訳では ないはずだ。 リリー・フランキー (イラストレーター、俳優、小説家)
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リリーさんは、ご存じのように
マルチな才能を生かし、活躍しておられますが、 「成功」ということに関して、 「人それぞれの成功がある」 「人によって成功の捉え方がちがう」 というようなことを言っておられます。 私もそう思います。 最近「成功」などという言葉などなくても、 華やか、などの言葉とは無縁でも、十分豊かで、 幸せな空間があることを目の辺りにしました。 それは、小さな街中にある小さな集会所です。 その集会所を管理しているのは92歳のOさんです。 Oさんは20年ほど前に、自宅の庭に、自分の手で 近所の方々が集まれる場所をつくりました。 ただ、そうしたかったのだそうです。 今では、朝から毎日近所のおじいちゃん、 おばあちゃんを中心に、周辺の方々が、 自然に集まってきて、その集会所で、 たわいもない話をしつつ、 ゆったりと時間を過ごしていきます。 いつも来ていた方が、突然来なくなったり、 また、違う方がふらりと来たりして、 そんなことも自然に受け入れてきたそうです。 その集会所の中心には、薪ストーブがあり、 冬は、そのストーブに鍋ややかんをかけて、 あついお茶を飲んだり、鍋を作ったりして 薪ストーブを囲んだただゆったりとした あたたかな時間が過ぎていくとか。 薪ストーブの上には、 誰かが釣ってきた魚が干してあって、 燻製になっていますし、そのストーブで使う薪は、 そこに集まってくる誰かが黙って持ってきてるとか。 雪が降れば、誰かがこの集会所のために雪かきをして 道をつくってくれるそうです。 夏は、風が通りぬける大きな木の下のテーブルで 持ってきたお菓子をほおばり、なんだかんだ話ながら、 みなさん、好きに時間を過ごしていきます。 何かをしてもいいし、しなくてもいい 豊かな穏やかな空間です。 (私はこの時期に集会所にお邪魔しました) このような空間をつくり、それを維持し、 その中の人間関係を楽しみ、慈しみ、楽しみ、 ゆったりと過ごしているOさんは、 現在も畑を耕し、とても元気に過ごされています。 いわゆる世で言う「成功」とは違いますが、 自分の思いを形にし、この年齢までそれを続け、 さらにはそれを楽しんでおられることこそ、 「人生の成功」なのではないか、と しみじみ感じたしだいです。 すごく澄んだ空気が流れている集会所でした。 すばらしい… |
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