■2013年05月10日の「今日のことば」■
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無難な対話を交わしているメリットは、無難だということです。
いつも、だいたい同じ結果を招くことができるでしょう。 しかし、無難な対話を交わしていると、問題も起こります。 それは、お互いにその人の前で演じている以外の自分を 出していくことができなくなるということです。 無難な対話は約束事によって成り立っています。 「わたしの気分が悪くなるようなことには触れないでね」 というところで、お互いにコンセンサスをつくって話ています。 だから、関わりはそれ以上決して深まることがありません。 お互いに感じたことや思ったことを言ってはいけないと いうのが前提なんです。 無難な対話の中にずっといつづけると、あなたは自分が何を 感じているのか、思っているかを知る機会を失い、 やがて生きていくことの喜びや感動も失っていくでしょう。 それが、無難な対話の結果です。 手に入るのは「無難だ」ということだけです。
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「いやいやその無難がいい、無難であればそれでいい」
「対話したって無駄、言い争いになるからもう何も言わない」 「無難に過ぎればいい。そうすれば何とかやっていける」 と思われる方もおられるでしょうし、 「無難かどうかなんてことより、言いたいことはいうよ」 「対話してダメならそれでいい。でも言ってみる」 「言いたいことは言ったもの勝ち」 という方もおられるでしょう。 それは、それぞれの生きてきた中で身につけてきた、 自分を守る知恵、生きやすくするための方法、 利益をもたらすコツのようなものかもしれません。 無難を選ぶか、リスクがあっても無難でないことを選ぶか、 性格もきっとあるでしょうね。 確かに、無難だといいですよね、 波風もなく表面上は平和ですし。 でも、自分の言いたいことを押えて、気持ちを抑えて、 常に無難なことを言わねばならない、ということでもあります。 これはこれで切ないし、疲れますよね、その結果、 どこかで変な爆発をすることもあるし(笑) また、言いたいことを言える人もいいですよね。 もっとも無神経で勝手だと思われて、 相手にされなくなるリスクも大きいですが。 こんなふうに考えてくると、無難なところは、 自分の言いたいこと、気持ちを抑えても無難に収める、 逆に、自分の気持ちや想いを伝えたい人や時には、 リスク背負っても、伝わらないかもしれない危険を承知で 勇気を出して言ってみる、対話してみる、 そんなことが必要ではないかと思えてきます。 そうできたらいいな、と思います。 |
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