ことば探し
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■2020年10月29日の「今日のことば」■

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「今日のことば」
幼い頃の私は、家の中では威張っていて、
外へ一歩出れば父や母、四つ上の姉の後ろに
隠れて小さくなっているような子どもでした。

学校へ行く道で、校長先生が
歩いて来られるのによく出会ったんです。
私は校長先生というのはもの凄く偉い人だと
思っていましたから、先生の姿を見ると、
足がすくんで、歩けなくなって
物陰に隠れたりしていました。
「校長先生に会うのがこわいから、
 学校に行かない」
なんて言ったりしていたんです。

そうしたら母が、
「何を言ってますねん、
 豆腐屋のオッサンかて
 校長先生かて、同じ人間ですがな。
 何がエラい」
と言いました。


もの凄く偉い方だと思っていましたから、
何がエラいと言われますとね、
「ああ、そうなのか」と、
それも一つの開眼になりました。
人間はみな同じなんだ、偉いもダメもないんだ、
という考え方は、母から与えられました。

そんな風に、
折りに触れ大人の言った言葉を聞いて、
いつとはなしに体の芯になっていく、
体の奥に沁み込んでしまう、
そういうことがあるんですね。


出典元 それでもこの世は悪くなかった
おすすめ度 ★★★★☆  ※おすすめ度について
著者名 佐藤 愛子

まゆの感想
また、こんなエピソードも書かれていました。

「私の母は母乳の出が悪くて、私は乳母に育てられました。
 そのばあやが大して教育のある人ではありませんけれども、
 私が小学校に行くのが嫌だ、あれは嫌だこれは嫌だと、
 今でいう登校拒否になっているときにこう言ったんです。

 「お嬢ちゃん、なんぼお嬢ちゃんやかて、
  大きゅうなったらどうしてもせんならんということが、
  世の中にはおますのやで」

 本当にわがまま一杯で、したくないことは
 何もしないでいい、そんなお嬢ちゃんでも、
 今だから許されているのであって、大人になったら、
 どうしてもしなくてはならないことがあるんですよ、
 そういう意味ですね。

 私はその一言で、
 「なるほどそうか」と思いました。
 わりと賢い子どもだったんですね。
 それで学校に行くようになりました。
 行ったらいろいろ辛いことがあります。でも、
 「大人になったら辛いことがいろいろあるんだよ」
 というばあやの言葉がありますから、
 しょうがないわ、と我慢しているうちに
 慣れていったんです」

大人の一言、誰かの一言が、
自分に開眼をもたらしてくれることって、
ありますよね。
それが何気ない言葉でも。

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