ことば探し
★私は、いつも愛に囲まれています★

■2013年08月07日の「今日のことば」■

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「今日のことば」
息子が見舞うとき、彼女は言った。
「また、来てくれたんだね。無理はしなくていいよ」
「いや、そんな訳にいかないよ。母さんに僕も会いたいしさ」
「大丈夫、雅彦、私はね」
「うん?」
「幸せ、……幸せ」

「いやあ、母は幸せだって、そう言うんですよ」
「そうなんです。私たちにも言ってくださるんですよ。
 そして、スタッフに気遣いをしてくださったりすることも 
 あるんです、今忙しくない?大丈夫?って」

「幸せ」が口癖だった老婦人。
単なる口癖は、いつしか皆に伝播し、
彼女の周囲をよい方向へ導くことになった。
スタッフは疲労が消え、いつも以上に熱心に医療、
看護に当たれたし、家族には喪失するという悲しみを和らげ、
また彼女に何かしてあげたい、そのような愛を育てた。(略)

もし彼女の口癖が、幸せから一本棒を引いただけの、
「辛い、……辛い」だったら、どうだったろうか。
死ぬのが即苦痛であるのならば、
彼女は「辛い」という言葉を連呼したかもしれない。

しかし、彼女が常に皆にもたらしたのは、
「辛い」の対極の、「幸せ」であった。
それは周囲を変え、そして人生を変えるのかもしれない。


出典元 感動を与えて逝った12人の物語
おすすめ度 ★★★★★  ※おすすめ度について
著者名 大津 秀一

まゆの感想
この話は、胃がんの末期で、ホスピス病棟に入院してきた
80代の女性岳山さんの口癖の話です。

入院してきたときから、ほとんど寝たきりで同然で、
一日のほとんどを臥床(がしょう)して過ごしていたそうです。
そんなとき、急に起こさないように、そっと
「具合はいかがですか?」と声をかけると、
うっすらと目をあけて、
「大丈夫です、なんともないです」と答え、さらに
「それはよかったです。他に辛いことや心配なことは?」
と聞くと、小さいけれどしっかりした声で、
いつも、こう答えたそうです。
「幸せ、……幸せ」
そして、目を細めて笑ったそうです。
息子さんが来たときも、同じようだったということです。

おそらく…いろいろな思いを突っ切って、
岳山さんの心はとても穏やかだったと思います。
そして、心から「幸せ」と思っていたように感じます。

今のこうして元気なうちから、
「幸せ、幸せ」が口癖でありたいと思いました。

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